第3章 はじめましての訓練
朝の訓練室には、やわらかい光が差し込んでいた。
今日で最後の“屋上訓練”。
足元のコンクリートの感触さえ、名残惜しい。
息が白くなるほど緊張した声で、は言う。
「……もう、ここを出るんだね……」
ホークスは赤い羽根を揺らし、いつもの調子を保とうとする。
「ああ。でも、お前なら大丈夫だ。
ここよりずっと“あったかい場所”に行くんだ。」
その声が少し震えていたことに、は気づいていない。
「ホークス……」
涙が溢れそうで、でもこらえる。
(泣いちゃだめ。ホークスに心配かけたくない……)
彼女の強がりを、ホークスは全部見えていた。
だからこそ、そっと頭を撫でる。
「行けよ、
新しい場所で、もっと強くなれ。」
その言葉は、祝福であり、別れの痛みでもあった。