第30章 新しい時代-其の壱
朝日が窓から差し込み目を覚ます
体を起こして顔を洗いに廊下にでる
鏡を見ると泣いた跡がある
“なんでだろう…”
朝ごはんにしようと声がかかる
テーブルに座って箸をとり
「いただきます」と言って食べ始める
「ゆあ、今朝はよく寝てたね。よほど疲れていたんだね」
「うん、何だか長い長い夢を見ていたみたい。思い出せないんだけど、とても幸せな夢だった」
「それは良かったね。学校は何時から?ここから間に合う?」
「あ!もう行かなきゃ!おばあちゃん行ってきます!」
ーーー
「おはよう!真衣ちゃん!」
「おはようゆあ !珍しくギリギリじゃん」
「おばあちゃん家から来たらギリギリになったー笑」
「あと1カ月頑張れば夏休みだね!早く夏になれー」
「よ!お二人さん。ちょっといいい?」
そう声をかけてきたのは同じクラスの直樹だ
「なになに〜?夏休みの話〜?」
と真衣ちゃんが答える
「そうそう、今年も花火大会行かない?」
と直樹が言う
「いいね!今年はみなとみらいの花火大会とかにする?」
「いいじゃん!そうしよう!」
「じゃあ決まり♡」
「理人には俺から言っとくわ!」
“浴衣新しく買わないとなぁ”
「ゆあはその簪に合わせた浴衣着るの?」
「うん!そのつもり!」
「普段から簪って珍しいよな!似合ってると思うけどさ」
「うん、なんか大切なものなんだよね」
「ゆあ はハイカラさんなんだよー」
「ハイカラって何?」
「直樹、ハイカラの意味知らないの?ヤバ」
「じゃあ私、次の授業あるからまた後でね!」
そう言って二人と別れた