第27章 鬼のいない世界-其の弍
「ゆあ ちゃんお久しぶり!」
「蜜璃ちゃん!伊黒さん、よく来てくださいました」
「みつりちゃんだー!あそぼう!」
「きゃー♡ 桜寿郎くんすっかり大きくなってー♡いっぱい遊んじゃうわよぉー」
そう言うと二人で庭に出た
「伊黒さん、私の肩に捕まって下さい。今部屋に案内しますので」
「すまない」そう言って私の肩に捕まる
伊黒さんは最後の戦いで両目を失明した
それを理由に蜜璃ちゃんと夫婦になる事を
諦めようとしていた
でも、蜜璃ちゃんがそれでも一緒に居たい
そう思いを伝え、夫婦になった
「煉獄、久しぶりだな」
「小芭内!久方ぶりだな!元気そうで何より」
「あれから誰かにあったか」
「いや、ゆあが冨岡と胡蝶に会いに行ったくらいだ」
「そうか、冨岡と胡蝶は元気にしていたか?」
「はい、お二人も仲良く暮らしていましたよ」
私は杏寿郎さんが帰ってきたあと
水の呼吸を教えてくれた師でもある
冨岡さんに会いに行った
冨岡さんは左腕を失っていた
それはもう戻らないけれど
冨岡さんは「もう剣を振るう事はない」からと
言って笑った
その側には胡蝶さんがいた
私よりも小さな体で上弦と戦い、
毒により体が思うように動かないと言っていた
それでも「ゆあ さんがいた鬼のいない世界に私も今いるのだと思うと感慨深いですね」と言って微笑んだ
二人は夫婦になるつもりはないが
添い遂げるつもりらしい