第26章 鬼のいない世界ー其の壱
今日も朝がきた事にホッとする
だが、隣に杏寿郎さんは居ない
もう歩けるようになった桜寿郎 と
手を繋いぎ、顔を洗いに行く
「千寿郎くん、おはよう」
「ゆあさん、桜寿郎 、おはようございます!朝餉できてますよ!食べましょう」
三人で朝食をとりながら話す
「杏寿郎さん、今日も帰って来れないみたいだね」
「はい、鎹鴉によると、柱並びに隊士のほとんどで、上弦と戦っているそうです」
それは突然の事だったーーー
「どうやら鬼舞辻無惨はお館様の居所を掴み、近々襲撃してくるだろうとの話だ」
「俺はお館様の所に柱達と共に参ります!父上は産屋敷輝利哉さまの護衛をお願いします!」
いつかはくると分かっていたこの日が
とうとう来た事に私は動揺していた
杏寿郎さんとお父様からも緊張が伝わってくる
「千寿郎、ゆあと桜寿郎の事、よろしく頼む!」
「はい!しっかりとお守りします!」
「杏寿郎、日暮までまだ時間がある。ゆあさんとしっかり話しなさい。桜寿郎の事は俺がみている」
「ありがとうございます、父上」