第21章 里
遡って昨日ーー
「父上、話があります」
「なんだ」
お父様の部屋に三人で訪れる
「ゆあが任務に復帰をしたいとの事で、任務中に桜寿郎 の世話をお願いしたいのです!」
「何!?ゆあさん、それは真か?」
「はい、桜寿郎も離乳しましたし、そろそろ任務に復帰したいと考えていました」
「千寿郎は賛成すると言ってくれました!任務に行っている間は自分が面倒をみるからと!」
「…いや、しかしだな…」そう言って
お父様は顎に手を当てて考える
“反対するのは…無理もないよね…”
そう思いながらも口を開く
「お父様、昼間は桜寿郎と一緒にいますし、千寿郎くんも協力してくれると言っています。また、最近は鬼も増え、一人の隊士の任務地が広範囲になり、隊士が足らない状態です。ですから…お願いします!」
そう言って頭を下げると
桜寿郎をあやしながらお父様が話す
「そうは言ってもだな…ゆあさんに何かあっては…」
「父上!その事ですが、ゆあには俺の任務に同行してもうつもりです!ですからゆあの事は俺がしっかり守ります!」
「…分かった…そこまで言うなら俺も協力しよう!ゆあさんはお前の命にかえても絶対に守れ!」
「はい!」
「お父様、ありがとうございます!」
そして今日ーー
「早速任務に行く前に、ゆあは刀をしばらく触っていなかっただろうから調整をしてもらうと思う!」
「調整?」
「そうだ!里に行き、刀鍛冶にみてもらう!」
「そんなところがあるんですか!」
「あぁ、俺も数回しか行った事は無いがいいところだ!だが、少し遠い場所にある!しばらく桜寿郎に会えなくなるが大丈夫か!?」
「桜寿郎には寂しい思いさせるかもしれませんが、覚悟の上です!」
「ゆあは母になりさらに強くなった気がするな!」
こうして私の復帰が決まった