第15章 自分の気持ち
「おはようございます」
そう言って杏寿郎さんの部屋を覗く
「おはよう!ゆあ、ここに座るといい!」
そう言って自分の隣をポンポンと叩く
「最近、書き物をよくされていますね」
「あぁ、胡蝶から鍛錬は控えるようにと言われているからな。だから元炎柱達のように俺も日記でも書いておこうと思ってな!」
「そうですか!それはいいですね!次の世代に引き継げますね!」
そう話すと、杏寿郎さんがじっとこちらを見る
筆を置くと口を開く
「ゆあ は祝言をあげることについてはどう思う。俺は祝言をあげなくともきみへの想いは変わらないし、この先も一緒にいるつもりだ。だが、祝言を挙げる事で、きみと俺は戸籍上も家族になれる」
「祝言ですか…」
「きみにも考えがあるだろうから急かすつもりはない。ゆっくり考えて答えを聞かせてほしい」
「分かりました」
そう答えると杏寿郎さんはまた筆を取り
日記を書きはじめた
私は隣で本を読みながらぼんやり考える
…祝言…結婚式って事だよね…
白無垢来たりするのかな
三々九度とかするのかな…
何だか考えるとドキドキする
“嬉しいな…”
でも同時に一番気になる事がある
杏寿郎さんの未来が変わる事
私はこの時代の人間ではない
その私が杏寿郎さんと祝言を挙げ
一緒の戸籍に入るという事は
それが未来にも残るという事だ
“そんな事していいのかな”
自分の中の相反する気持ちに
モヤモヤしてしまう
気分を変えようと立ち上がり
庭に出た