第12章 責務を全うする
無限列車に柱が乗っている事もあり
医療班が後追いするとの事で私も一緒について行く
「ゆあ さん、炎柱に相談せずにきても良かったのですか?」
そう聞かれる
私はそっと自分の日輪刀に触れ
“いざとなれば、これで鬼を斬る!”
「お叱りは受けます。でもイヤな予感がしてならないんです」
そう答えた
丑三つ時とはよく言ったもので
特に今日はイヤな感じがしていた
「ムゲンレッシャ カゲンノオニ イタ セントウ ゲキカ」
鎹鴉からの報告に、皆のなかに緊張が走る
「ここからは徒歩で向かう事になります」
私は日輪刀と医療道具を持ち車を降りる
「カゲンノオニタオシタ レッシャテントウ
フショウシャタスウ タイシスウメイ モ フショウシテイル」
「私は剣士の元に向かいます!乗客の手当てをお願いします!」
そういうや否や一気に駆け出す
現場に着くと竈門くんが倒れていた
「竈門くん!!!今手当てするから!」
「ゆあ …さん…俺の事は…大丈夫です…それよりも煉獄さんを…」
そう言われて急いで辺りを見回す
見覚えのあるマントがたなびいているが
動きがない
その姿に、血の気が引いていく
医療道具をもち駆け寄ると
そのまま前に倒れそうになる
煉獄さんを抱き抱える
急いで隊服を脱がせ
脇腹を止血する
止血しながら状況を確認する
右目は…もうダメね…
そうしている間にも血はドクドクと流れてくる
ガーゼを重ね全身の力で抑える
そしてここに来る前に千寿郎くんから
もらっておいた血液で輸血をする
他の隊士にも手伝ってもらいながら
サラシを巻いていると
杏寿郎さんの顔から
生気がなくなっていくのが分かる
!?呼吸が止まってる!?
「煉獄さん!煉獄さん!」
竈門くんが涙声で呼ぶ
私は心臓マッサージをしながら叫ぶ
「煉獄さん!杏寿郎さん!戻ってきて!お願い!死なないで!戻ってきて!」