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たまのケージ【ヒロアカ】

第11章 スターと恋(轟焦凍)


 そして、ぎゅっと抱きしめると遠慮がちに細い腕が背中に回された。
 それだけで、満ち足りた気持ちになる。

 「お家……入ろっか……」

 繭莉の言葉で、ここががっつり外だという事を思い出す。
 「……そうだな」
 
 焦凍からいったん体を離すと、家の鍵を上着のポケットから取り出して、鍵穴に差し込む繭莉。
 
 やっぱりシンプル過ぎる部屋に入ると、本棚の上の写真立てが無くなっていた。
 「繭莉、写真……」
 「あ……うん、あれね……処分した」
 そう聞いて、焦凍はあの日、初めて話した時の倫音のどこか切なそうな笑顔を思い出していた。

 誰かの終わった恋の上に成り立った自分の恋。

 それは、守っていかなければいけない大切なもの。

 「そっか」
 それだけ言うのに、少し時間がかかってしまった。
 「焦凍くん」
 「ん?」
 「ごめんね、上手く信じさせてあげられなくて……けど……」
 繭莉が、真っ直ぐこちらを見つめてきた。 

 
 「焦凍くんの事が好きなのは、本当」

 
 何故だろう。
 繭莉はいつも、焦凍が心の何処かで欲しいと思っている言葉をいつもくれる。

 そんな所が、好きなんだと再認識した。

 「俺……」

 焦凍も同じように、真っ直ぐに彼女を見つめた。


 「繭莉が好き、なんだ。……どうしようもねぇ位に」


 素直に、言葉が出ていた。

 それを聞いた繭莉が、ふっと微笑んだ。

 「ありがと」

 そして、どちらからともなくキスをした。

 触れるだけのキスを何度かして、額をコツンとくっつける。
 「は……繭莉……俺、」 
 「……うん……」
 全てを察していた繭莉が、小さく頷いた。

 これからする事なんて、大体一つしか思い浮かばない。

 お互いの着ている物を、パサパサと脱がせ合う。
 その、衣擦れの音がする度に胸の鼓動はどんどん速くなっていく。

 そして、ブラジャーに手をかけようとした時、彼女の手が腕に触れた。

 「下着、自分で脱ぐから……」

 恥ずかしそうに下着を脱いでいく様に、欲情してしまう。

 ついに、一糸纏わぬ姿になった繭莉をベッドに寝かせて、胸元に顔を埋める。
 「んっ……くすぐった、あっ!」
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