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たまのケージ【ヒロアカ】

第10章 男女問題はいつも面倒だ(爆豪勝己)


 次の日。

 「なぁダイナマイト、一宿一飯の恩義で頼みたい事があんだけど」
 玄関先で繭莉の兄に言われて、勝己は首を傾げた。
 「……何スか?」
 
 「繭莉、連れて帰ってくんね?」
 
 そう言われて、固まったのは勝己を見送ろうとしている繭莉だった。
 
 「お、お兄ちゃん!何言って……」
 「別にいいじゃねぇか。お前ここに居ても邪魔なだけだし?どうせ好き同士だろ?」
 「……で、でも……」

 明らかに戸惑いの色を見せる繭莉。

 「住む所とか、無いし……仕事も無いし、それこそ邪魔になっちゃう……」
 「そんなん、追々見つけたらいいだろ」
 いつの間にか、そんな言葉が勝己の口を突いて出ていた。

 「俺んとこ、来い」

 返事を聞くのが若干怖いが、言ってしまった以上返事を聞かなくてはいけない。

 少しの間、沈黙が流れた。

 「……あの……えっと……はい……」
 やっと、消え入りそうな声で繭莉が言った。

 「じゃあさっさと準備して来いよ」
 「……はい……」
 自分の部屋に向かって行った繭莉を見ながら、兄が溜息を吐いた。
 「悪いね、アイツあんなんだからイライラすっと思うけど」
 「……否定はしねぇ」
 「はは、でも好きなんだろ?」

 好き……ねぇ……

 まぁ、そうだからここまで来たっつうか……うん……

 「……そうスね」
 まぁまぁ素直に返事をすると、肩をポンと叩かれる。
 「じゃあ俺、車の準備しとくから」

 程なくして、繭莉が戻って来た。
 その手には、本当に必要最低限の荷物があった。
 「すみません、お待たせしました……」
 「行くぞ」
 「……はい……」

 手を差し出すと、遠慮がちに握られる。
 
 「まぁ、なんだ……あれだ……」
 「?」
 怪訝な顔をする繭莉に確認の為に聞いた。

 「俺で、いいんだな?」

 すると、顔を真っ赤に染めて頷かれる。

 「勝己さん……あの……」
 「何だよ」
 「迷惑、かけないようにします……」
 
 ったく、コイツは……

 「迷惑と思ってたら、連れて帰んねぇわ」
 
 繭莉の手をぐいっと引いて玄関を出た。

 外は、これからの2人での生活を応援するかのように、雪もすっかり止んで光がさしていた。
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