第1章 限定って言われると欲しくなる(ホークス)
夢のようにでっかいベッドになだれこむ様に押し倒される。
そんな事されてるのに、ベッドがふかふかで気持ちいいなーとか、ぼんやりと思っていた。
私の身体をなぞるホークスの手も、気持ちよくて。
……きもちいい……
……きもち……
……あ……
ヤバい。
何でだ、こんな時に。
……す、睡魔が……っ……
こんな状況で急にウトウトし始めた私を見て、ホークスの顔に焦りの色が見え始めたのをぼんやりとした目で見ていた。
「ちょ、繭莉ちゃん?寝る気?」
ゆさゆさと揺さぶられるけど、瞼は今にも閉じそうだ……。
「そ、そんなわけ、ないけど……今日、色んな所、行って……補導、されちゃったし……なんか……クタクタで……うん、寝ない……だい、じょぶ……」
「繭莉ちゃん、マジか……」
情けない事に、私の意識はそこでぷっつりと切れた。
何時間経ったのかも分からない頃、私はうっすらと目を覚ました。
知らない天井を目の前にして、寝起きの頭で情報を整理しようと試みる。
ここ、どこだっけ。
すっごい、照明だなぁ……キラッキラ、してる~……
天井、鏡でさ……
なんか、ラブホみたい……
ん?ラブホ?
……ラブホ!
ああ、そうだ!
私、ホークスとラブホに来とった!
いつの間にか寝てた!
ヤバいヤバいヤバいぞおおぉぉ!
「ごっ、ごめんなさいっ!」
がばっと飛び起きると、ベッドに腰掛けてこっちを拗ねた目で見るホークスと目が合ってしまった。
「あ、あの……ホンっと、すみません……」
もう、謝り倒すしかない。
「よく、この状況で寝たね」
顔から血の気がさぁっと引いた。
「……ゆ、許して……」
私が震えた声で言うと、またプッと吹き出される。
「ふ、いいよ、もう……ホント、どんだけ可愛いの!」
そう言って笑った彼の表情を見て、キュンと胸の奥が痛くなった。
「今、何時……?」
「ん?まだ、4時半」
ほら、とスマホの時計を私に見せた後、ホークスはそれの電源を落とすと、ベッドサイドに置いた。
そして、私の方へ向き直る。
「繭莉ちゃん」
「はい……?」
「しよっか」
「……はい……」
私達は、どちらからともなく、キスをした。