第7章 夢中(相澤消太)
そこにいたのは、何ともセクシーなお姉さん……私でも知っている、ヒーローのミッドナイトだった。
「まぁ、こんな所でそんな事するのも、燃えちゃうけどね」
と、ミッドナイトはうっとりした表情で言った。
「……何か用ですか」
「あら、言ってくれるわね。根津校長が呼んでたから、探しに来てあげたんじゃない」
「そうですか……じゃあ繭莉、後で」
そう言うと、消太はミッドナイトと並んで学校の方へ歩いて行った。
後で、かぁ……
家帰って、掃除してご飯作って待ってよう。
……って、何で今日、私こんなに気合入ってんだ……
そんな事を思いながら、家路へ向かって歩き出した。
その日の夜。
「はぁ……消太、遅いなぁ……」
さっき心の中で決めた通り、部屋の掃除をしてご飯も作り終えて、あとは消太が来るのを待つだけになっていた。
あ、お風呂入っといた方がいいかな?
いや、待てよ……なんかそれって、期待してるみたいで……
うん、お風呂は……ちょっと今はやめとこ。
そう思って、テーブルに突っ伏すと急に眠気が襲ってきた。
あれ?
さっきまで全然、眠くなかったのに……
いやでも、消太まだ来なさそうだし……
……ちょっと、だけ……
そこで、私はすっかり眠りに落ちてしまった。
何だか、揺れているような気がして、私はゆるゆると目を覚ました。
なんか、身体ふわふわする……
あと……あったかいなぁ……
……消太の、匂いする……
はっ!
消太!
「わぁっ!」
やっと覚醒した私の身体は、宙に浮いていた。
いや、正しくは消太に抱えられていた。
「すまん、起こした。よく寝てたから、ベッドに寝かそうと思って」
「そ、そっか……ごめん、寝ちゃって」
「いや」
消太は、私を抱えたままベッドに向かった。
「あの消太、私もう目、覚めたし大丈夫……だ、けど……」
そう言うけど、消太の足は止まらない。
「言ったろ、今夜覚悟しとけって」
そ、そんな、今から!?
「や、たんま!ご飯冷めちゃう!」
「後でレンジでチンすりゃいいだろ」
「そういう問題じゃ、んっ!」
いきなりキスされて、ご飯はもう諦めようなんて思ってしまった。
「……は……」
「何可愛い顔してんだ。興奮すんだろ」