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君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第4章 夜明けがくる前に…【早川アキ夢・後編】



ルルが公安のデビルハンターになってから、数年の月日が経過した。

教育係の早川アキの手をもうとっくに離れていた彼女は、一人前の戦力として大いに貢献していた。

元々、仕事に対してとても真面目で熱心だったルルは、マキマからの信頼も厚く、経験を積むにつれ、特別な任務を任せられることも少しずつ増えていった。


そんなある日、公安対魔特異課が銃によるテロ攻撃を受けた。

デンジ、パワー、姫野と4人で食事をしている最中に襲撃を受けたアキは、頭が刀になっている男と戦っている際に体を斬られ、大量に出血してそのまま意識を失ってしまった。

病院のベッドの上で目を覚ましたのは、翌日のことだった。

「4課は…誰が生き残ってる?」

アキは病室に来ていたデンジとパワーにたずねた。

「…コベニってチビと、メガネの男も生き残ったみたいだけど…公安辞めたんだと」

デンジから返ってきたその返事を聞いて、頭の中が真っ白になった。



その後、京都の公安からマキマの依頼で特異課の指導に来たという黒瀬と天童という2人組と、姫野の妹が続けて病室を訪ねてきた。

姫野の妹が姉の書いた手紙を置いて帰った後、アキは食事も取らずにいつの間にか眠ってしまったようだった。


どれくらいの時間が経っただろう
眠りから覚めたアキが薄く目を開けると、いつの間にか病室のカーテンが引かれていた。

『先輩…?』

ベッドサイドから微かに聞こえた声の方へ顔を向ける。
そこにはルルの姿があった。

「…っ!」

アキは飛び起き、ルルの腕を引き寄せるとその身体を強く抱きしめた。

「……お前、無事だったのか……今までどこに居たんだ…」
『…京都での事後処理を頼まれて……さっき、最終の新幹線で帰ってきました…』

その言葉を聞いて、アキは初めて彼女が一昨日の夜からマキマの指示で京都へ行っていたことを思い出した。


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