• テキストサイズ

君の隣で眠らせて【チェンソーマン短編集】

第2章 夜明けがくる前に…【早川アキ夢・前編】



早川アキは寝起きが良い。
アラームの音と共に目覚め、ベランダの窓を開けてリビングの換気をしたアキは、顔を洗って歯を磨き、豆から挽いてじっくりと淹れたコーヒーを新聞を読みながらゆっくり飲んだ。

「おい、そろそろ起きろよ。朝メシ食うなら自分で食パン焼け」

居候としてアキのマンションに同居している同じ部隊の新人デビルハンター・曽根崎ルルの部屋のドアをノックするが、返事はなかった。

その後、アキは朝食をとり、タバコを一服する。

「曽根崎、起きてんのか?もう飯食ってる時間ねぇぞ」

使った食器を洗い終えてから2度目の声掛け。
それでもルルの部屋からは何も物音は聞こえてこなかった。

「………ハァ〜…」

髪をひとつに縛り、公安の服に着替えたアキは彼女のドアの前で大きなため息をひとつつくと、「入るぞ」と言っておもむろにドアを開いた。

閉じられたカーテン。窓際にあるベッドの上にはこんもりと膨らんだ掛け布団のシルエットが見えた。

「おい、まだ寝てんのか」

テキパキとカーテンを開け、容赦なく掛け布団を引き剥がすと、Tシャツにショートパンツ姿のルルが眩しそうに顔を歪める

『……んー……アキ、せんぱぃ?…おふぁよぉござぃまふ…』
「…早く起きて着替えろ。遅刻する」
『ふぇ?…もぉそんな時間ですか』
「そうだ。3分で支度できなきゃ置いてくぞ」

アキはそう言うとルルの部屋を出ていった。

『ぇ……わぁぁ、待ってくださいよぉ』

慌てて飛び起き、バタバタと身支度を始めるルル。

「…ったく…お前の寝起きの悪さ、何とかならないのか」
『すみません!ちゃんと目覚ましかけて寝たんですけど…』
「言い訳はいい。とにかく急げ」


/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp