第1章 ある春のこと
「っ…はっ、んあぁッ!け、いっ!……んっ、痛いよ…!」
「ごめん、っ……大丈夫、もう少しだから…」
中3になったばかりの、薄紅が空を覆う季節。誰もいない幼馴染の家で、私に覆い被さる蛍を受け入れていた。
蛍との行為はこれが初めて。ただの幼馴染だったはずの彼が――男になった瞬間だった。私は…幼馴染の蛍の手で、真っ赤な花を散らしたのだった。
裂けるような痛みと押し潰されるような質量に、涙を流しながら必死に息をする。切なげに歪んだ真上の顔は赤く染まり、熱い雫を私の頬に垂らす。
まだ春になったばかりだというのに、私たちは汗だくでベッドの上で揺れていた。
そして――その痛みに思い知ったのだ。もう後戻りは出来ないと。
「揺…ごめんっ!」
熱と切なさと、後悔が渦巻く琥珀色の瞳は、優しさに溢れていて…抱き締められた腕は温かかった。