【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第16章 Where His Darkness Lives
仁美は送られた住所に行くことにした。
黒尾からの未読は、さらに増えていた。
それでも、仁美 は画面を閉じた。
––––––
次の日の講義が終わり、仁美 は人の流れに紛れながら大学の建物を出た。
夕方のキャンパスは、昼より少しだけ静かで、どこか気の抜けた空気が漂っている。
スマホが震えたのは、その時だった。
画面に浮かんだ名前に、仁美 は一瞬だけ指を止める。
クロ。
通知を開こうとした、その瞬間。
「仁美。」
前から声がしたて、仁美は反射的に顔を上げる。
数メートル先に、黒尾が立っていた。
少し逆光になった位置で、いつものように軽く手を挙げている。
まるで約束していたみたいに、黒尾は仁美を呼んでいた。
その顔は、仁美 を見つけたことがはっきり分かるほど、嬉しそうで。
仁美の胸が、ぎくりと鳴った。
でも、その動揺を悟られるわけにはいかなくて、仁美 は小さく息を吸い、唇の端を持ち上げた。