【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第15章 Loving Them Is Ruining Me
研磨は何も言わずに聞いていた。
相槌も打たず、視線も逸らさず、ただ 仁美 の声だけを受け止める。
その間、研磨の頭に浮かんでいたのは、仁美 のいなかった三年間だった。
黒尾と二人で過ごした時間。
研磨はそれを思い出して、無意識に片手を膝の上で握りしめる。
それを 仁美 に見せないようにテーブルの下で、静かに拳を握った。
研磨はしばらく黙ってから、静かに口を開いた。
「……別に、謝ってほしいわけじゃない。昨日のことも。ムカついてたから仁美を抱いた訳じゃやい。」
仁美は昨夜の話が出て顔を赤くさせた。
研磨は握っていた拳をほどき、ゆっくりと手を伸ばした。
そしてテーブルの上に置かれていた 仁美 の手をそっと包む。
仁美 の肩がわずかに強張る。
けれど、その手を振りほどくことはしなかった。
研磨は指先に伝わる体温を確かめるように、一瞬だけ力を込めてから、視線を上げる。
「……言いたいことはそれだけ?」