第8章 少女漫画
「五条さん、何読んでいるんですか?」
少女漫画を読む五条を見て、怪訝な顔をする七海。
「俺の手で幸せにしたいのはお前だけだ!
とか、七海言ったことある?」
「はぁ?」
「いや、鈴に少女漫画借りたんだけど。意外と面白いね。
…七海さ、今彼女いる?」
「いえ」
いつになく、五条は神妙な顔をしている。というか、こんな顔できたのか。
「僕さ、恵に人を本気で好きになったことないんじゃないかって言われて落ち込んでんだよね」
「…正論ですね」
「あー、すんごい意地悪したい!今度に遠出の任務にしようかなー」
(そんなのだから尊敬されないんですよ…)
大人な七海はその気持ちを心の中に留めた。