第4章 再会
[…………し、知らない訳ではないですけど…]
確かに昔はそうだった 恐ろしくて暴力で支配させようとでもするかのような凶暴な人達
けれど今ははっきり言える "変わった"と
[普通はもっと警戒したり疑ったり…]
[前財布拾った時はお前がスッたんだろって言われたぞ!?]
[………!]
[それは……災難でしたね…]
せっかく拾ってくれたのにその人もその人だ
疑心暗鬼にも程がある
まるでお前がしたんだろと言わんばかり
(……………酷い)
桜さんの胸の内を思うと心がギュッと握りしめられたように痛む
[っ………べ、別に…と、とにかく…!]
[そんなヤツにあり……礼なんて…]
[信用されたくないのかどっちなんだ…]
[は…はは………]
ことはちゃんはっきり言っちゃった
でも桜さんの言い分わかる気がする
普段ならそうしなければいけないのは確か
けれど
"ここ"にいるとどうしても皆が優しくてつい甘えてしまうから
(…………)
ことはちゃんはフッーと息を吐き
[桜 あんた風鈴選んで正解だったよ]
[でもね…]
コツコツと靴音を立てくるっと振り返ると
[あんたに風鈴のてっぺんはとれない]
[絶対にね]
そのままだとてっぺんはとれないと言わんばかりの厳しい表情だった