第2章 喧騒と日常
[…………]
[に抱きついて……!]
[わっ!………は…はは…]
(い、いつの間に…)
本当ちゃっかりしているというかなんというか
知らないフリをしてしれっと抱きついてきている
会った時から何故かこうして甘えてくるのだ
その時も椿ちゃん達に助けてもらったっけ
雨竜さんに気に入られていると意味でいいんだと思うのだけど
(……でも)
毎度毎度こうされては心臓が持ちそうにない
色々な意味で
[うん流石は雨竜だ♪]
[俺もー]
[え!?えっ?]
と言って二人して抱きついてくるなんて
それは流石に
[………じゃあ俺も]
(え!?)
[か、梶さんまで……!]
予想外の出来事に目が点になってしまう
こんな事する人じゃないのに
言い方が悪いかもしれないけど珍しいにも程がある
3人とも抱きついてきて窒息してしまいそうだ
なのだが
[………………!]
目の前に恐ろしい気配が出ている
[…つ…つ、椿ちゃんお、落ち着いて…]
無理もない
こんな事されたら誰だって
[………あんたら…]
[っ〜〜〜〜あーしも!!]
(え!?)
[きゃ………!]
(もう…)
(………何が何だか…)
椿ちゃんもこっちに来たかったらしい
結局全員抱きついてきちゃった
収拾つくのかなこれ
(…………ふふ)
そんなこんなでドタバタとした日々が続いていた
"あの事"は遠い昔に思えるほど
一度壊れたかに思えた歯車は廻り始めたのも知らないままこの刻を楽しんでいた