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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第25章 番外編 新婚の僕らが零す涙の向こうは


弱った時、君を求めたのはどうしてだろう。

好きで……ほんまに好きで、それでも伝えることを諦めた恋。
僕はずるくて、弱くて……君を僕の中に引き摺り込んだ。

亜白隊長に偽装結婚を命じられた時、僕は君を相手にする条件を出した。君以外、考えられへんかったから。でも、君だけは選んではいけなかった。

澪の声に似た女をこの腕に抱いて、澪に触れてしまった。僕の手に反応する君が、目眩がするほど艶やかで……止められなかった。

この家で何度も君に触れた。それでも僕は言わなかったし、無理やり境界を飛び越えることはしなかった。

「宗四郎?……眠くないの?」

「ん?……ん。澪がかわえくて……もうちょい、見ときたい」

過去の罪悪感が湧く中に、コロコロとした声が落ちてくる。緩めた腕で抱き締め直し、髪を梳く。――今はもう、全部僕のもんや。

澪の両親に、胸を張れる僕でおりたい。
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