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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第15章 愛縛 〜涙愛〜


ベッドが沈む感覚に軽く目を覚まし、温もりを求めた。腕に絡みつくと頭を撫でられて、気持ちよくてそのまま寝そうになる。

「……やで、澪ちゃん」

ん?なんて?
微睡んでいてよく聞こえなかった。
目を開けてジッと見つめる。

「なんでもない。起こして悪かった。おやすみ」

背中に回った手がぎゅうと抱き締めてくれる。

今日はしないのかな…ほぼ毎日のようにしていた行為。こうやって抱かれない日は怖くなる。もしかしたら、さっきまで別の人を抱いていたのではないかと…。

そんなことを考えていると目が覚めてしまって、唇に軽く口付ける。誰にも取られたくないのに、私のものではない。何も言うことが出来ない。

「目ぇ覚めてしもたか…ゆっくり寝え」

抱き締める手の温かさ、優しさ…これだけは私だけのものであって欲しい。

「やだ……なんで…」

「どしたん?怖い夢でも見たん?」

宗四郎さんが女の人と会ってることが夢ならいいのに…。

起き上がって宗四郎さんの上に覆い被さる。重ねた唇はそのまま深くなっていった。
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