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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第12章 宵闇 〜酔闇〜


すぐに手を下着から出し顔を上げた副隊長。
熱に犯されていた瞳は今、動揺に揺れているように見える。

また倒れてきて胸に顔を埋めた。肩で息をし、熱い吐息がかかる。

「はあっ、はあ…ん、はぁ……ごめん…ッ、こないなことするつもりじゃ…嫌やったよな?はぁ…ほんまごめん…」

腰を震わせながら荒く息をし、胸で欲を沈めようとする震えた彼を見つめた。

息を整えた副隊長はベッドから降りて、寝室を出ていこうとする。

「そ、宗四郎さんっ…偽装結婚、やめたくない……」

一度足を止めて背中を向けたままの彼は、言葉を発することなく寝室を出ていった。

行かないで欲しかった。まだ一緒にいて欲しい。
私はもう、宗四郎さんに触れられても怖くない。もっと触って…宗四郎さんがしたいことするから、私を離さないで。

胸が締め付けられて苦しい。上手く息が出来なくなって、顬を雫が流れていった。

ベッドの端で私は、まだ彼の温もりを探した。
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