第18章 義勇の切り札〜冨岡義勇 時透無一郎【強R18】
「昨夜やっと義勇さんに愛してもらいました」
時は、ゆきが義勇の稽古に復帰した二日目に戻る。
百合さんととうとうそういう関係になったんだ義勇さん…
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稽古の休憩中ゆきはぼんやりと雲を見つめていた。
義勇が隣に座ってきた。
「あの…さっきの百合の話だけど…」
ゆきは、まっすぐ前を向いたまま黙って話を聞いていた。
「俺は覚えがない。覚えているのはゆきの感触だけだ」
ゆきが溜め息を吐いた。
「あの…師範…」
今までで目も合わせてくれなかったのにしっかり俺を、見つめてくれた。
「わたし…あの…」
目を潤ませ真剣な表情だ。
急にゆきが俺に近づいてきた。耳元を手で覆われ少し息を吸ってから告げられた。
「月のものが遅れてるんです…」
義勇はすぐに勘付いた、吉原の旅館でゆきを抱いた日、子が出来ればお館様も自分とゆきを離したりしないと思い何度もゆきの中で果てた事を…
義勇は、思わずゆきを抱きしめた。
「な、何するんですか?離してください」
「ゆき…」
ゆきは、義勇を押し退けた。「ま、真面目に聞いてください!」
「すまない…嬉しくて、、そうだお館様に報告しようそして婚約を解消してもらう」
「何言ってるんですか?百合さんとそういう関係になったのなら最後まできちんと…」
言ってる最中に、義勇が近づいてきて口づけした。
「お前をあれだけ抱いている、最後まできちんと一緒にいたい」
やめて、やめて、私をかき乱さないで…私は無一郎くんが好きなの…
急にまっすぐに、言葉を伝えてくるようになった義勇にゆきは戸惑うしかなかった。
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ゆきは、元気なく無一郎の屋敷に帰ってきた。
ふと庭に目をやると、凛が無一郎に抱きしめられていた。
「何で?」
ゆきは、びっくりして固まった。
凛は泣いていた…。無一郎は、そんな凛の頭を撫でてあげていた。
夕食の時間
二人は何事も無かったかの様にご飯を食べていた。
食事も終わり部屋に戻ろうとした時
「ゆきお風呂上がったら僕の部屋来てね」
凛が気になって凛に目を向けた…悲しそうな顔で無一郎の事を見ていた…