第76章 奪い合い〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥【R】
「やめ……義勇さん、離して……っ」
ゆきは震える手で、はだけた浴衣の合わせを必死に掻き合わせようとした。
しかし、義勇の大きな掌がその上から無造作に重ねられ、動きを封じ込める。
任務帰りの義勇の指先は硬く、自分との力の差を見せつけられているようだった。
「…離さないと言っただろう」
義勇の声は低く、甘く熱を帯びている。
彼はゆきが必死に整えようとした帯に指をかけ、迷いなくその結び目を解いた。
「だめ…、自分、で…っ」
「自分で何をすると? また不死川が整えた通りに直すのか。…直しても何度でも俺が解いてやる」
スルリと帯が畳に落ちる乾いた音が、静かな部屋に響く。
ゆきは顔を赤く染め、今度は肩から滑り落ちようとする衣を必死に手で押さえた。だが、義勇はあやすような手つきでその細い手首を優しく、かつ強引にどかしていく。
「…っ、義勇さん、お願い」
「お願い、は…こちらの台詞だ」
ゆきが衣を合わせようとするたび、義勇はそれを嘲笑うかのように、指先で一枚ずつ丁寧に、確実に肌から引き剥がしていく。
肩が露わになり、さらに鎖骨から胸元へと冷たい空気が触れる。
ゆきが身を縮めると、義勇はその隙を逃さず、今度は背中側に手を回して浴衣を完全に引き抜こうとした。
「嫌か? 俺にこうされるのは」
「嫌…じゃない、けど…でも…っ私と義勇さんは師範と継子で…こんな事いけないです!」
「関係ないだろ?身体はこんなに熱い」
剥き出しになった肩に、義勇が深く顔を埋める。
必死に衣を掴んでいたゆきの指先から、力が抜けていく。
義勇がゆっくりと浴衣を足元へ押しやっていくたび、ゆきの守りは一枚、また一枚と剥がされていった。
「時透との婚約も、解消したままにするんだろう? あいつの元へ戻る隙など、もう与えない」
逃れられない重圧と、肌をなぞる熱い吐息。
義勇は、もはや下着同然となったゆきを組み敷き、その瞳をじっと見つめた。
「もう、隠すものはない。お前を、俺だけのものにする」
「ま、待ってください!私はもう…義勇さんとはこんな事は…」
「俺とは…駄目で、不死川とはいいのか?何故だ…?」
義勇の悲しそうな声が響いた…