第12章 義勇の気持ち〜冨岡義勇
「ちょっ、ゆきしっかりしろ。」
義勇の羽織を脱がそうとしてくる。「ダメだ。しっかりしろ」
トロンした目で見てくる。
あまりきつく抑えたくは無かったが仕方なくゆきの両手をひとつにまとめて頭の上に片手で押さえ込んだ。
抑えたその刺激でさえ媚薬の効いているゆきには、快感なのか甘く切ない吐息を吐きながらこちらを見てきた。
「胡蝶、この媚薬はどれくらい効くん…」横を向いた時に何か注射を打たれた。
「な、なにを」急に眠気が来てゆきの上に倒れこんだ。
義勇は、別の部屋に連れていかれた。
しばらくして、状況がわかっていない無一郎が義勇とゆきとしのぶが全然戻って来ないので部屋に様子を見にきた。
荒く息をしてベッドに横たわるゆきを見つけた。
「ゆき!?大丈夫?どうしたの?しんどいの?」
赤く火照った頬に、潤んだ瞳、はぁはぁ息をして隊服は胸元が開いていた。
「む、むいちろうくん…わ、わたし媚薬を飲んじゃったみたいで…ハァハァ」
起き上がってきたためゆきの隊服は反動で肩からずり落ち胸が露になっている。
「ハァハァ…わたし」無一郎に向かって手を広げてきた。
「ど、どうしよ…い、いまとても」
流されそうな気持ちを無一郎はグッと我慢した。隊服を直してあげて、おでこに口づけだけしてあげた。
「胡蝶さん探して解毒剤もってくるからまってて」
部屋から出ようとする無一郎の隊服の袖を掴んだ。
「一回ぎゅっとしてください。我慢するから」
すごく色っぽい表情で見つめてくる。息も荒く今すぐにでも体が欲しているのがわかる位だった。
無一郎はぎゅっと抱きしめてあげた。
体がびくんとして無一郎に全体重を預けてきた。
いつもゆきは、果てた時にこうなる。媚薬のせいですべて敏感になっているみたいだった。
無一郎は部屋にゆきを残してしのぶさんを探しに出た。
奥の部屋から声がするので無一郎は扉を少し開いた。
中にはぐったりした義勇と義勇の側に寄り添うしのぶがいた。
「胡蝶さん。解毒剤貰えませんか?」
無一郎は、お構い無く二人の前に立っていた。
胡蝶も焦る様子無く義勇に寄り添いながら答えた。
「そのまま抱いてあげたらいいですよ♪明朝には効き目も切れますよ。」