第53章 十二月の夜〜冨岡義勇【微R】
無一郎の屋敷からの帰り道、稽古が始まるまでに屋敷に戻りたかったのでゆきは、足早に歩いた。
門の前に、数人人が集まっていた。
よく見ると、ゆずの周りに一緒に稽古していた四人の隊士がいた。
「何で、急に他の場所に飛ばされるの?」
女性の隊士が涙しながらゆずに話していた。
ゆきが、視界に入った途端ゆずが飛びかかってきた。
「あんた許さないから!柱に何吹き込んだのよ!」
馬乗りにされて、首を絞められた。
「やっ…苦し…離し…」
一人の隊士が、義勇を呼びに屋敷に入った。
「柱!柱!来てください!柱!」
ただなる雰囲気に、義勇は急いで門に向かった。
「何をしている!」
馬乗りに、なっているゆずを引き離しすぐにゆきを見た。
「ゴホッゴホッゴホッ…」
「大丈夫か?」
義勇が、ゆきを抱き起こそうとした時にゆずが泣きながら話しだした。
「柱はそんな子のどこがいいのですか?霞柱と出来てるんですよ?なのに…柱は…」
「何が言いたい?」
「わ、私見ちゃったんですその子が熱出した日に、柱がが看病していて…その子と、その…」
「だから何だ?俺がこいつと何かするのにお前の許可がいるのか?お前は、なぜ他の場所に俺が飛ばすのか理解しているのか?」
「…か、隠をゆきが居るお風呂に向かわせた事ですか?」
「理解しているなら早く去れ。時透にも断られたらしいな」
「その子は、霞柱とも出来ているんですよ?隠とも出来てるかもと思わないんですか?」
「早く去れ」
ゆずは、手に拳を握りながら屋敷から去って行った。
‐‐‐‐‐‐‐
夕方稽古が終わった。
ゆきの首には絞められた跡がくっきりと残っていた。
「ゆき大丈夫?女って怖いよな…俺らは何も思ってないからな!これからもよろしくな」
三人の男性の隊士達は、とても優しかった。
「ありがとう…」
とてもご飯を食べる気にはなれずゆきは、一人部屋でぼーっとしていた。
「居るのか?」
ふすまの向こうから義勇の声がしてきた。
ゆきは、ゆっくりふすまを開いた。
「首大丈夫か?」
義勇が、心配そうにゆきの首に触れた。
首に残る跡を見て目線を上げると唇が目に入ってきた。
思い出す…数日前の夜を