第51章 愛おしい四日間〜冨岡義勇【R強強】
「はぁ…もう少し…よいしょ…」
ゆきは、気を失った義勇を布団に移動させるのに手こずっていた。
「義勇さん…ちょっと荒いけど許してください」
重いので、引きずりながら移動させた。あと少しでお布団という時だった。
「ゆき?」
無一郎の声だった。ふすまの向こうに無一郎が来ていた。
「無一郎くん!?」
「今どういう状況なの?冨岡さんは何しているの?ゆきの息が荒いけど…」
「あっ…そ、それは熱で気を失っちゃって引きずりながらお布団に移動させているの」
「ふーん」
無一郎は、ふすまの向こうで疑わしい相槌をした。
「本当だよ!力が抜けてるから重くて…」
「胡蝶さんから感染るから絶対に会うなって言われてるから僕は手伝えないや…あっそれと薬持ってきたよ。大きな瓶が冨岡さんで小さい方は君のだから」
「ありがとう」
ふすまに無一郎の影がうつる。ふすまに手を添えている。
「冨岡さんと二人きりで心配だけど…信じてるよ」
ゆきが、無一郎の影に手を添えた。
「大好きだよ無一郎くん」
「僕も…だよ。明日任務が入らなければ来るね。」
「うん…」
無一郎が廊下を歩く音がだんだんと小さくなって行った。
ゆきは、布団に運ぶ途中だった義勇の方を見た。
虚ろながらも座っていた。
「ぎ、義勇さん!?大丈夫ですか?自分でお布団行けま…」
手を引かれ膝の上で抱きしめられた。
「えっ!?義勇さんちょっと…」
義勇は、火照った顔でゆきを抱きしめて離さない。
ほどいた義勇の長い髪がゆきの頬に触れる。
「義勇さんお布団行きましょう」
するとふらふらしながらもゆきを抱きかかえた。
そして布団にゆきを寝かせた。
「え?え?義勇さんが寝るんですよ!」
そして自分もゆきの隣に寝転んで抱きしめてきた。
「すごい熱…どうしよう?隊服から浴衣に着替えさせないと」
義勇の部屋から浴衣は、取ってきていたが色々あって着替えさせてはなかった。
赤い顔で息遣いが荒くなっている義勇の隊服のボタンをはずしていった。
そしてなんとか上は脱がすことが出来た。問題はズボンだった。しかし意を消してベルトをはずした。
なるべく見ないように浴衣を羽織らしてからズボンを下げた。