第5章 情が消える時〜時透無一郎、冨岡義勇
義勇は、ゆっくりとゆきの目の前にきた。
「あの晩、村から蝶屋敷に君を運んだのは時透だ。」
「やっぱり、、、」
「ただ、昨夜まで側に居たのは俺だ」
「えっ?」
「時透はすぐに任務があり不在だった。」
「でもしのぶさんが、、、」
「俺と、胡蝶どちらを信じる?」
義勇は、力強くゆきを抱きしめた。
「良かった目が覚めて」
「義勇さん、、、」
「高熱でずっと魘されてて俺が守れなかったから」
「違います!私が未熟だから」
ますます義勇は、ゆきを抱き寄せた。
「俺の継子になれ」
「え、、、?」
「今日は、このまま連れて帰る。お館様には了承済みだ。」
この日から、ゆきは冨岡義勇の継子になった。
だが、無一郎はとうてい納得できなかった。
いきなりゆきを義勇に奪われたという感覚しかなかった。