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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第38章 秘密が露見する時〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


酷く取り乱してゆきは、俺と距離を取りながら話をする…。
俺が一歩近づくと一歩下がる…。

切ない距離だ。

屋敷に戻ると、門の前に無一郎が立っていた…。

「無一郎くん!?」

無一郎は、無表情で二人の前に来た。

「稽古お疲れ様」

義勇は、チラッと無一郎を見て門の中に入って行った。

「何で無一郎くんここに居るんですか?」

ゆきが、恐る恐る無一郎に質問した。

「蝶屋敷に行く途中に、寄っただけ。」

「そうなんだ。」

「早く冨岡さんに、ついて行ったら?中で待ってるんじゃないの?」

「う、うん」

ゆきが、屋敷の中に入ろうとした時…

「ちょっと待って!こっちに来て」

無一郎に呼ばれてゆきは、傍に行った。

髪をかき分けられ、首元を露わにされた。

「えっ!?何?」

「僕は、昨日二つ跡を付けたんだけど…」

「わかってるよ。二つって」

隊服の一番上のボタンを無一郎は、無理矢理引きちぎった。
勢いがつき飛んだボタンで、頬に少し傷がつき血が流れた…。

「何?この三つ目の跡は?」

えっ…!?三つ目の跡…?

あっ…義勇さんがさっき付けた跡だ……。

「無一郎くん…」

無一郎は、義勇の屋敷の中に入って行った。

慌ててゆきも中に入った。

義勇に詰め寄る無一郎の姿が見えた。

「どういう事ですか?何あの首元についている跡」

義勇は、動揺もせずに無一郎を真っ直ぐに見て答えた。

「打ち込み稽古の前にたまたま見えた。それで、俺も付けたくなった。それだけだ。」

無一郎は、あまりに堂々としている義勇を見て怯んでしまった。

「ゆきは、お前のものなのか?」

「それは…」

「時透…俺もゆきが好きなんだ。」

確かに、ゆきは僕のものじゃない…夫婦でもない…婚約しているわけでもない…言い返せない…

無一郎は、ゆきの顔を見た…。

さっき僕が、感情のままに君の首元のボタンを引きちぎったせいで、顔に傷をつけてしまった。

綺麗な肌から血が流れ落ちている…。

「無一郎くん!待って!」

無一郎は、走って屋敷から出て行ってしまった…。

追いかけようとしたゆきを、義勇は後ろから抱きしめ離さなかった。




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