第4章 愛か情か〜冨岡義勇、時透無一郎
凛がただならぬ状況を察知して場を沈めようとしていた。
「ゆきお姉様涙を拭きましょう。」
無一郎と義勇はお互い睨み合っている。
「取りあえず水柱様今日はお引き取り下さい。」
凛が丁寧に頭を下げた。
泣いているゆきに義勇は近づいてそっと涙を拭ってあげた。
頭を撫でながら
「いつでも訪ねておいで。待っている」
そう告げて帰って行った。
無一郎は、それがとても気に入らなかった。
凛の前で、初めて口にした。
「ゆき、、、。今日いつものあれしたい。」
ドクン、、、「え?」
「部屋来てね」
無一郎は、部屋に戻って行った。
「ゆきお姉様。あの師範は何の事をおっしゃっているのですか?」
「、、、、。」
無言のままゆきも無一郎の部屋に向かった。
部屋の中に入ると無一郎の姿が見えなかった。
「師範?」
後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「今日は優しくするって約束する」
師範が耳元で囁いてきた。突然の事で動けなくなった。
無一郎は、ゆきを自分の方に向けて優しく話した。
「僕に触れられるの怖い?」
「あの、、、師範、、、」
「冨岡さんみたいに大人じゃなくてごめんね。ゆきから見たら僕なんてまだ子供だよね」
「師範、、、」
「この前はごめんなさい。我慢できなくてゆきを傷つけた。痛かったよね?」
師範、、、どうしちゃったの、こんなの調子が狂ってしまうよ。そんな悲しい表情しないで。
「忘れてなかったんですね」
「僕はゆきとの事だけは忘れないんだ、今まで言わなかったけど」
無一郎ガゆっくりとゆきを抱き寄せた。
「今夜ゆきが欲しい、、、いい?」
こんな優しくて素直な師範が、初めて過ぎてむやみに振りほどけなかった。
こうやってゆきは、情に流された。