第3章 嫉妬~時透無一郎 【R18強】
あれから一週間過ぎた。何も無かったかのように無一郎は継子のゆきに稽古をつけていた。
「最近速さも出てきたね」
「はい。ありがとうございます」
「これも冨岡さんの稽古のおかげだね」
「....。」
「、、、?どうしたの」
不思議そうに首を傾げながら師範は私を見てくる。
師範は、記憶が曖昧な事が多い。だからもしかしてあの出来事を忘れてしまったのではないのかと最近思っていた。
「そろそろ休憩にしようか」
無一郎は、綺麗な秋空を見あげた。無表情で、、、。
ーーーーーーーーーーーさらに一週間が過ぎた。
お館様から産屋敷邸に集まる様に声がかかった。
呼ばれたのは、柱達それに唯一の継子のゆきだった。
あれから二週間義勇さんには会ってない。
それに、師範ともあんな事があった、、、。
まともに顔が見れない。
屋敷に着くとすでに、柱の皆さんは揃っていた。輪から一人離れて義勇さんは立っていた。
「わぁ!無一郎くんの継子ちゃん?」
可愛い顔立ちの甘露寺さんが声をかけてきた。
「はじめまして。ゆきと申します」
「キャーかわいいわ!確か私と同じ年よね?仲良くしましょうね」
場の空気が和んだ所にお館様が現れた。
「今日はお前達に話がある。継子になるものがもう一人出てきたのでここで紹介する」
現れたのは、私より少し背が高い黒髪の女の子だった。
「この子は凛と言う。年は14だ。私はぜひ霞柱の継子になってもらいたい」
無一郎の表情がすぐに変わった。
「お館様。僕にはもう継子がいますので別の柱に、、、」
「それがな、考えたのだがゆきは19お前の継子にしたら少し歳が離れている。だからゆきを水柱の義勇に託そうかと考えていたのだよ」
「お館様!?それは、、、。」
無一郎が困り果てている。落ち着かない様子でゆきの顔を見てきた。
「ゆきお前はどうだ?無一郎の継子としているか?それとも義勇の継子になるか?」
師範の顔を見た。下を向いてとても悲しい顔をしている。手も震えている。
義勇さんの顔を見た、、、。優しい眼差しで遠くからこちらを見ていた。
私は、、、、どうする、、、、?