第2章 芽生える気持ち~冨岡義勇
夜も更けてきた頃、ゆきが目を覚ました。どうやら寝てしまっていたようだった。
「このまま寝ててもいいぞ」
耳元で声がした。
ふと見上げると、ゆきは義勇の肩に寄り添い眠っていたようだった。
「あっれ?なんれ?」
あれ?呂律が回らない………。
「随分飲むからびっくりした。」
べったりくっついている自分が恥ずかしくて離れたいのに身体がうまい具合に動かない。かなり酔ってるみたいだ。
バタバタもがくほど、胸元も乱れてきて今にも見えそうになっていた。
これじゃなんだか誘ってるみたいだよ…。
恐る恐る義勇の顔を見た。
余裕の無さそうな熱っぽい視線が飛び込んできた。
なんだか、なんだか変な気分…。
胸が高鳴る
師範に、いつも寝るまで背中をトントンする時の密着している時には感じなかった感覚が今全身を襲ってきている。
何これ…。
義勇の指先がゆきの唇をなぞった…
ダメだ…身体が変な感じがする…
「ぎ、義勇さん…わたし…」
まだまだ夜更けには、ほど遠い時間だった…。