第2章 芽生える気持ち~冨岡義勇
すっかり話し込んでしまい帰るには遅すぎる時刻になっていた。
「鬼も出歩く時刻だ、今日は泊まっていけ」
「え?」
涼しい表情でこちらを見ていた。
「大丈夫だ。二人きりではない屋敷の者もいる」
勝手に赤くなってしまいすごく恥ずかしくなった。
「やだっすいません…それなら是非」
「風呂の用意は出来てると思うので入ってこい。寝巻きはすまないが女物はないので俺のを使え」
そう言いながら義勇は、グビッとお酒を飲んだ。
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どうしようどうしよう////
義勇さんのお屋敷に泊まれるなんて。それに義勇さんのお召し物着て寝れるって…。
そんな事を考えていたからなのか、お風呂から出たのはかなりの時間を過ぎてからだった。
義勇の居た部屋を覗くと、まだお酒をちびちび飲んでる姿が見えた。
「義勇さんまだ飲んでらしたのですか?」
こちらをゆっくりと見る義勇の目はトロンとしていた。
色気たっぷりに見詰めてくる姿に鼓動が早くなった。
「お前も飲むか?」
「えっ?」
私はお酒を飲んだことがなかった…だけど誘いのまま義勇の隣に座りぐいっと飲み干した。