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【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第3章 空色の恋(時透無一郎)



俯く雫に更に続けた。

「お前は俺を満足させられるカラダをしていると…時透は言っていたが…」

『…っ……』

雫の足が止まった。


「その意味に心当たりはあるか?」

『………言いたくありません。』


俺の元を急いで去ろうとする腕を掴んだ。

『っ……』

ハラハラと涙が溢れた。


「お前は…時透が好きなのか?」

『……わかりません…無一郎は…
私をただの同期としか思ってないです…
ただの同衾相手としか…』

赤らむ顔にそっと触れた。


「お前がもう会いたくないのなら…
無理に会わなくていい。師範として…お前を泣かせるような奴の元には行かせられないからな。」


概ね正しかったし、間違いではなかった。


「辛くなったら俺が胸を貸してやる。」

雫の腕を引き、胸に閉じ込めた。


『…っ……』

「いつでも言ってこい…」

雫の細い腕が腰に回された。


『…ふふっ、師範の継ぐ子で良かったです。
継ぐ子の特権ですね。』

「言っておくが…師範としてではないからな。」



俺は雫の顎を持ち上げ



唇を塞いだ。



『っ…ん……』

目を瞑り、唇に力を入れる雫。


『師…範……?』

「…っ…すまない。」


俺は何を……


ポカンとし、涙を止める雫。

「っ…すまなかった…
だが俺が言ったことに嘘はない。」


雫を廊下に残すと、屋敷の奥に向かった。










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継ぐ子に何をした…?

14歳の少女に…


湯浴みを終え、部屋着で夕餉を食べていた。

雫の作った鮭大根は前回よりもかなり上達していて、俺好みに味が染みていて美味だ。
 

何でも器用にこなし、できない事が少ない…

俺はあいつに対しそう思っていたが、それは間違っていた。


人一倍影で努力し、ひたむきに、実直に剣技を磨いていた。

あまり作った事がないという料理も隠に教わってメモを取り、何度も自分で作っていた。

稽古中にちらっと見えた手は女子のものとは思えず、たくさんの豆がつぶれた跡があった。


普通の女子が人形遊びやお手玉などをしている時期に剣を握り、自分を叩き上げていたのだろう。
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