第3章 空色の恋(時透無一郎)
任務を終えて、自分専用に用意していただいた広い屋敷に帰宅すると既に昼近くになっていた。
玄関を曲がり、庭の方に進むと縁側に見慣れた顔が座っており、空を見上げていた。
「雫…」
小さくそう呼ぶと、大きく目を見開き僕の方にかけてきた。
『無一郎っ…お疲れ様っ。』
甘露寺さんや胡蝶さんの継ぐ子のようなタイプの隊服の裾がまくれ、下着が見えそうになっている。
ガバっと抱きつかれると、自然と頬が緩む。
「雫…服整えなよ。
ここは隠もたくさん出入りするんだから、危ないでしょ?雫をそういう目で見る奴がいるかもしれない。危機意識持たなきゃダメだよ。」
コツン、と額を小突くと、ポカンとした雫の表情はクルクルと変わり、再び笑顔になった。
『はぁい…
って言うか無一郎、凄いねっ、このお屋敷。
無一郎専用の住まいでしょ?凄いっ…本当に柱になったんだ。入隊して二カ月で柱になるとか、絶対この先も更新されない記録だよね。』
凄い、凄いと僕をぎゅうぎゅう抱き締める雫。
ふと、下半身が熱を持ち始めたのを感じた。
「雫…中に入ろう?疲れちゃった。」
僕は全ての隠に、疲れたから誰にも会いたくないと伝えた。
屋敷は雫と僕の二人きり。
隠が沸かしておいてくれた風呂に入ると
雫の隊服を脱がせ、自分も何も纏わず
雫の体を貪るように、激しく抱いた。
『んっ……はっ…ん……無一郎…』
繋がった秘部からはグチュグチュと卑猥な水音が聞こえる。
「はっ…雫…気持ちいい…」
ビクンビクンと質量を増す自身を、抉るように奥まで突き上げた。
『あぁんっ……あっ…ゃっ…』
雫の口端から溢れる唾液を舐めあげ、口を塞ぐ。
"あの日の朝方した事を、またしたい。"
それだけ書いて鴉を飛ばした。
雫は屋敷まで来てくれた。
多分、僕に恩を感じているんだ。
あの日、僕がいなければ鬼に殺されていたから…
僕と雫は、たった2人しかいない同期だった。