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【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第2章 若草色の恋(不死川実弥)



「あぁ…だったらまずは…名前で呼べぇ…」


『…っ……実弥…さん…』

恥ずかしそうにはにかむ雫。



俺は前髪にサラリと触れた。

「俺ぁお前のその…若草色の目が…ずっと好きだった。
あの頃の俺は…色々余裕なくて…
お前に好きだと言ったり…未来の話をしたり…
全然してなかったよな。
それを多分…ずっと後悔してたんだ。」

『実弥さん…』


記憶が戻ってから、俺の涙腺は馬鹿になっている。

ちょっとした事でこのザマだ…


「鬼がいなくなって平和な世界になった。
それはお前や…死んでいったたくさんの仲間の存在があったからだ。
それを忘れずに…精一杯今を生きる事が俺達、記憶持ちの務めだとお館様も言ってくださった。」

雫が俺の手をそっと握った。


『実弥さん…私が死んだ後の話…
色々聞かせてください。どうやってこの世界を…
こんなに平和にしてくださったのか…知りたい。』


「そうだな…
時間はたっぷりあるしな。」

雫の手に、そっと口付けた。


「まずはお前の両親に挨拶だな…」

『…大丈夫でしょうか。』

「まさか娘の命の恩人拒否しねぇだろ…」

『…ですかね。実弥さん、私…実弥さんと手を繋いでデートしたり…色んな場所に一緒に行ってみたい…
昔やれなかった事…たくさんしたいです。』


「そうだな…昔やれなかった事。
まずは…」

俺は雫の額に、コツンと額をつけた。



「模試だな。来週の。」



『げっ…そうでした…』

「げ、じゃねぇよ…お前なら余裕だろが。」

『勉強しなきゃです…面倒くさい…』

ムスっと膨れる雫の顎を掴み、口づける。


「模試終わったらまた…死ぬ程してやる。
覚悟しとけよ…」



はいっ、と笑う雫の笑顔を



今度こそ絶対に守りたいと思った。























ー若草色の恋ー


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