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【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第1章 群青色の恋(冨岡義勇)



毎日、お前を思っては安らかな気持ちになり


お前の笑顔を見ると、心から満たされた。



自分が鬼狩りである事を忘れるくらい、殺伐とした世界を生きる俺の心を癒してくれているのは雫…



お前だ。



だからこそ…


「お前を大事にしたい…
お前が怖い事や嫌だと思うことはしたくない…」

『…だったら……』


濡れた瞳で俺の目を見つめる雫。


『私が何が怖くて、何が嫌だと思っているのか…
聞いてくださりますか?』

「わかった。聞こう…」


『私は……義勇様が私の事を…どう思ってくださっているのかわからない事が怖いです…私に触れてくださらない事も…
こうして一緒にいたいと言ってくださるのに、触れることはない。それが…怖い……』



そんな風に思わせていたのか…

 

「すまない…雫…」


『嫌な事は…義勇様を心からお慕いしているのに…
その義勇様をこうして…困らせている自分が嫌です…
ごめんなさい……』

「いや…俺は困っていない。お前の本音が聞けてよかった。」






もう…我慢しなくていいんだな…





雫の頬に手を添え、瞳を真っ直ぐに見て言った。


「お前が好きだ、雫。」


俺はそう言うと、そっと雫の唇を塞いだ。

『んっ……ふっ……』

舌を絡めると、ビクリと震え目を閉じた。
ぎこちなく絡まる小さな舌。


もしや…


「初めてか?」

コクリと頷く雫。


『口付けは…されたことがありません。
義勇様との口付けが、生まれて初めてです…』


頬を染め、涙を溜める雫に何かが弾けた。


雫の肩を優しく押し、布団に組み敷いた。


『…っ……』




「雫…俺の全部をお前にやる。
だからお前の全部も、俺にくれないか…?」




俺の下で雫は涙を零し、呟いた。

『はい…勿論…』




初めからこうしていたら良かったのか…




俺は目を瞑り、もう一度、雫に深く口付けた。
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