第20章 我慢
『あの、冨岡さんは……
我慢…してますよね…?』
「我慢…?」
『私と、その……、
まぐわう?こと…出来てない、ので…』
「っっ…!!」
うぅ…、やっぱり恥ずかしい…。
でも、冨岡さんの本音を聞いておきたかった。
答えを聞かずとも、絶対我慢させてるとは思うけど
それが理由で私から離れていって欲しくなくて…
きっと私は…、安心したいんだ…。
ジッと目を合わせながら答えてくれるのを待っていると、冨岡さんは私から目を逸らし、私の背後の道を見つめていた。
『…?あの…?どうしたんです…っ、わ!!』
なぜかいきなり無言のままお姫様抱っこをされ、冨岡さんは私を抱き上げたまま、近くの森の中へ入って行き
木の影のある場所で私を下ろした。
『冨岡さん…?どうして移動…』
「静かに。
…鬼殺隊の隊士が歩いてくるのが見えた、
通り過ぎるまで少し待て。」
『あ…、はい…』
木の影から、さっきまで私と冨岡さんがいた道を見つめていると、隊服を着た隊士達数人が歩いていくのが見えて…
その隊士達は割と大きな声で会話をしていたから
私達の耳にも会話の内容が聞こえてきた。
隊A「なぁ、さっきこの辺りに水柱いなかったか?」
隊B「いや?俺は見てねぇけど…、見間違えだろ。」
隊C「水柱といえばさ、恋人のって人、
すげぇ優しくて、女神みたいだって言われてるけど
それって本当なのか?」
隊A「お前、蝶屋敷で手当て受けたことねぇの?
あの人マジで女神だぞ?」
隊B「俺も蝶屋敷でさんに世話になったなー…。」
隊A「ここだけの話だけど
さんに世話になった隊士達の何人かは
あの人に惚れてるらしいぞ?」
「『!?!?!?』」
え、なにそれ、初耳なんですけど…。