第15章 潔白
「俺を痛め付けたいなら好きにして下さいよ。
ただ…、水柱は隊律違反とみなされますけどね。」
冨「…痛めつけるだけで気が済むと思うか?
を苦しめたお前を…
俺は許す気など毛頭ない。」
「へぇ…、じゃあどうするんです?
こんなに目撃者がいるところで俺を殺す気ですか?そんな事したら、あなたの大事なその女に嫌われるかもしれませんよ〜?」
冨「っ、貴様…、覚悟は出来ているだろうな…」
『冨岡さんっ!!挑発に乗ったらだめですよ!!
しのぶちゃんも何とか言ってよ〜!』
し「う〜ん…、
時間的にそろそろかと思うんですけど…」
…全然助けてくれる気ないね!!
しかもよくわからない事言ってるし!!
私が1人で必死に冨岡さんを抑えてるっていうのに、しのぶちゃんは壁にかかった時計を見ながら、う〜ん、と頭を捻っているだけ…。
何とか1人で必死に冨岡さんを抑えてるけど
私1人の力では到底敵わなくて…
それでも何とか冨岡さんの怒りを鎮めようと試みていると、部屋の襖がスッと静かな音を立てて開いた。
「なっ…!?なんで……お前がここに…」
『ぇ…、に、西口さん…』
部屋の入り口に目を向けると何故か西口さんが立っていて…
突然現れた彼に驚いていると
彼は柱である冨岡さんとしのぶちゃんに一礼してから、部屋の中に足を踏み入れていた。
西「すみません、少し遅れてしまいました…。」
し「いえ、丁度いい頃合いでしたよ?
ご苦労様です。」
西「はい…、失礼致します。」
西口さんは私にもペコっと頭を下げると
未だに驚いたまま固まっている親子に向き直った。
「き、君は…西口さんのところの…」
西「…お久しぶりです、おじさん。」
「いやぁ!随分と立派になられて!
お父様はお元気にされていますかな?」
西「はい…、変わりなく。」
「そうかそうか!!それは良かった!!
ところで、何故君がここに来たんだ?」
西「…話は全部、蟲柱から聞かせてもらいました。」
「えっ…」「は…?」
同時に間抜け声を出した親子2人に
西口さんは大きなため息を吐くと、その2人をキツく睨み付けていた…。