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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第15章 潔白





でも、隊士2人は
怒っている彼のことを憐れんだ目で見つめ、嘘の証言をした事を懺悔し始めた。





「俺達…ずっと後悔していたんです…。」

「さんは…
鬼狩りの任務で誰よりも多くの鬼を倒していたし…
巨体な鬼に怯みもせず1人であっさりと殲滅させていました。この人がいなかったら…、きっと俺達は生きていないはずです…。」


『…そんなことないですよ。』


「「え……?」」


『任務でご一緒した時に見た
お二人の太刀筋はとても綺麗でした…。
相当な鍛錬を積まないと、あのようにはなれません。
きっと私がいなくても、皆さんで協力し合えば
鬼は倒せていたと…、私はそう思います。』





…それにこの2人は、私が鬼と戦ってる時
巨体な鬼が現れる前に負傷したもう1人の隊士を見捨てて逃げたりしなかった。



自分の事しか考えていなかったら
誰かを守ろうなんて思わない…


あの時の2人は、
鬼殺隊員の勤めを十分立派に果たしていた。





『今日は私の為にわざわざ来て下さって…
嘘をついた事を正直に話してくれて…
ありがとうございます。』



畳に手をついて
自分なりに丁寧に頭を下げてお礼を伝えると
2人の隊士の慌てふためく声が聞こえた。




「そ、そんな…!頭を上げて下さい!!」

「俺達は礼を言われる事などしてません!!
むしろ嘘の証言をして
さんを苦しめて…っ、
本当に申し訳ありませんでした…!!」




私が頭を上げた後で
今度は2人が私に対して頭を下げながら謝罪していた。


2人がちゃんと自分の行いを反省してくれたことに嬉しく思っていると、しのぶちゃんが私を見ながら微笑んだ。





「現在この屋敷で療養中の隊士も
嘘の証言をしたと認めて反省していました。
さんには改めて直接謝罪をしたいそうです。」


『ふふっ、そうなんだ。』




これで私の無実が証明される…
謹慎も解けて、任務にも復帰できる…


心の中で喜びを噛み締めていた私だけど…





「先程から黙って聞いておれば…、
そこの男2人は…自分の立場を分かってるのか…?」




…中年男性の声が室内に響き
空気が重いものに変わった。




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