第7章 溺れる愛と欲
センラの息が乱れ、耳元に吐きかけられる熱が、さらに体の奥を疼かせる。
その声、その動き、その体温——すべてが、の奥を狂わせていた。
「っああぁっ……センラさんっ……やだ……好きすぎて、こわれちゃう…!」
「壊れてええ。俺が全部、抱きしめたる……最後まで、俺だけに溺れて……」
ビクビクと震えながら、の身体が硬直する。
センラも奥で一際深く沈み込み、限界まで昂った熱を吐き出すように震えた。
「あぁ……っ………もぉ、俺も……イくっ……!!」
「んっ……あ゛っ、あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁっっ……」
「はぁ…んっ……好きやっ……愛してる……っ!!」
ビクンッ、ビクンッと、深く結び合ったまま、ふたりの肉体は果てていった。
ベッドの上、汗と涙と精液と愛液が混ざり、ふたりの間にしか存在しない熱の海ができあがる。
息を切らし、抱きしめ合いながら、
それでもまだ名残惜しそうに、指先だけが肌の上を彷徨っていた。
——終わりが見えない愛。
互いを求めすぎて、壊れる寸前のふたり。
でも、そこには確かに幸せがあった。
壊れても、溺れても、もうこの愛からは逃れられない。
そんな夜だった。
そして——絶頂の直後、耳元に落とされた一言。
「……、もう逃げられへんで?俺以外に触れられたら、きっと……壊れてまうわ。俺が、俺自身でおれんようになってまう」
「それぐらい、愛してる。お前が笑えば俺は生きていけるし……泣いたら、一緒に沈む。もう、そういう存在になってしもた」
「たとえ世界が終わっても、お前だけは俺のもんや。……なぁ、最後まで、俺のそばにおってくれるやろ?」
掠れた声と、震える吐息。
それは脅しでも、束縛でもない。
愛が深すぎて、自分の輪郭すら曖昧になるほど——ただ、に依存して、愛して、すがるような、痛いほどまっすぐな想いだった。
——ふたりが紡いだ愛は、ただ激しく、ただ深く。
壊れることも、溺れることも恐れずに、同じ熱に抱かれて生きていく。
これが、センラとの、終わりのない恋の形。
そんな二人だけの秘密の時間。