第7章 ホノオ
『ん…?』
「起きたか、芹奈」
目を覚ますと、なぜか私は轟くんの背中に収まっていた。
『あれ、なんで…?』
「成功したんだ、炎猫獣」
『っそうだ、私、』
轟くんと交わり続けたあの夜が明け、朝からまたエンデヴァーとパトロールへ。パトロールをしない時間はこうして訓練場で炎猫獣の特訓をしていたのだが、どうやら成功したらしい。
『ごめん、重かったよね』
「いや、良いトレーニングになった」
『…素直なご意見ありがとう』
「目覚めたか」
『っエンデヴァーさん、』
「これでお前と焦凍は、最恐の力、炎猫獣の力を得た」
『最恐の力…』
「…炎猫獣の力が強力なのは分かったが、芹奈の意識がねぇのに俺の命令で戦わせるのはどうなんだ。危険だろ」
「もちろんだ。無意識に命令のまま戦い続ければそのうちボロが出るだろう。
キャッティ・アイ」
『はいっ』
「お前は、これから炎猫獣になっても意識を維持し続けることを目標に置いて訓練に励め」
『意識を維持…どうやって?』
「焦凍の言うことを聞くようになったんだ。何度も炎猫獣になり続け、模索しろ。お前の力が向上すれば、必ず焦凍の力になる。世界へ名を轟かせることも夢ではない」
エンデヴァーの言うことは無茶に感じた。でも、その無茶を、希望とすら感じた。
エンデヴァーの言い分では、多分轟くんのことしか頭にないだろうけど。
でも、それでも私が強いヒーローになることができるなら、この炎猫獣の力を使いこなしたい。その気持ちが強かった私は、エンデヴァーからの問いかけに力強く頷いてみせた。
「高校を卒業したらお前たちの祝儀を挙げてやる」
『結婚はしませんから!!!』
やっぱりエンデヴァーは頭のネジが外れていた。