第1章 カンケイ
昨日あの後も小一時間ほどは繋がっていただろうか。日が落ち始めたタイミングでまた2人でシャワーを浴び、勝己は帰っていった。
私はというと、体力の限界で夕飯を作る気力もなく、冷凍していた食パンを温め食べた後ぐっすりと寝落ちした。
そして、今朝。痛む腰をなんとか我慢し身を起こし朝食を軽く済ませて家を出た。
駅につき電車を待っていると見覚えのあるトゲトゲ頭が隣の乗車列の先頭に立っていた。
『っ…』
じーっと見ていると勝己も気がついたのか目が合う。昨日のあの出来事を思い出して顔がボワっと赤くなるのを自覚し目を逸らした。
こうして、付き合っているんだかいないんだかわからない私たちのカンケイが始まった。
2日後、再び電車の中で痴漢に遭い男を背負い投げたのはまた別のお話。