第14章 京
「やっぱりいつの時代も京都は素敵だねー!」
「そうね、神聖な感じがするわ」
「あ、あそこの小間物屋に行きたい!!」
「可愛い物がたくさんあるわね」
私達は戦国時代の京に旅をしに来た。
顕如との戦が終わり、私達もこの時代に残ると決めたので信長様達に500年後の時代から来たと告げた。
「(あの時のみなさんの顔、おもしろかったなあ)」
数日前、安土城
「つまり貴様らは未来からやって来たという訳か」
ここに来た経緯を全て話し、信長様は至って冷静だった。
「驚かれないのですか?それともまた妙な事を言っていると思って、?」
あまりに冷静過ぎるのでこっちが逆に驚く。
「いや、貴様の話は真実だと思っておる。貴様らがこの時代の人間でないのなら先々の奇行も納得がいく」
「き、奇行、ですか?!」
「この織田信長の名を聞いて驚かないのも、着物に慣れないのも、この俺に物申すのも貴様らぐらいであろう」
「(確かに、この時代の人で織田信長の名を知らない人はいない‥‥着物が着慣れてないの、バレてたのね。着付けできるようになったとは言えまだ下手か‥‥って、そういえば信長様に何回か意見したりしたな‥‥)」
思えば思うほどこの時代で浮いている気がして恥ずかしくなる。
「なんだかお恥ずかしいところをお見せしてしまった気がします」
「いや、貴様ららしく生きていて清々しかったぞ」
褒められているのかどうか微妙だが生き方肯定してくれ一先ずお礼を言う。
「お前達、心細かったよな。それなのにあんなにきつい態度とっちまってすまない」
秀吉さんがまたも謝る。
「秀吉さん、何度も言ったでしょう。あなたは何も悪くない、主を守る従者として立派な対応だった」
「秀吉さん、次また謝ったら怒るからね?」
琴葉も秀吉さんは悪くないと思っているからこそ発言だ。
「くくっ、良かったな秀吉。優しい妹達で」
「なっ、今は何も言うな!」
光秀さんも信長様同様、驚く素振りは一切ない。
「「(この二人が驚く顔、一度で良いから見てみたい)」」
私と琴葉の気持ちが一致したのも当然だ。本当にこの人達は驚くという感情があるのだろうか‥‥