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化身来華【鬼滅の刃】

第1章 始まり(はじまり)





火を付けた折

姉は既に絶命しており、即死している
母方の祖父母も同じくそうだった

だが…母と私は違っていた


刺されたのは左脇腹…辛うじて急所は避けたとは言え出血が多い

動けば死ぬ
でも動かないと火が付いて死ぬ


そんな考えに至る中…静かに歩み寄ってくる足音が聞こえた


じゃり…
じゃり…
恵土「!!」瞠目

来たのは鬼…
その中でもそれを携える異色のものがおり、静かに歩み寄っていた

嵐の前の静けさとも形容が浮かぶほどの静寂の中で、事態は急変した


それが父に血を入れ、鬼にし、父の身体は耐え切れずにはち切れ、破裂して血が辺り一帯に飛び散り、絶命した


無惨だ…
目にした時、直感で、本能で、そう感じた

龍神が何度も言っていた存在だと


無惨「外れか…

ちっ」

そう舌打ちをし、まだ火がついたままの家へ目を向けられた


すると火の手を、手を翳すだけで止め、『火』のみを消し飛ばしていた

まだ息がいるものを探すように
品定めをするように
静かに辺りを見ていた

目は合いこそしなかったが、辛うじて息をしているのを感じていた


母が意識を取り戻した際に

覆い被さられたまま動けない中
柱がこちらへ倒れてきた


それから逃れる為、必死に母を動かして避けさせ
自らも母側へ共に行こうとして、母がその背を服ごと掴んで引っ張ってくれた


どすうん!!!

既(すんで)の所で助かった


恵土(助けに来たのに…
その為に産まれてきたのに……

逆に助けられてどうするんだよっ)

涙が滲み、視界が白ばむ中
その男は、静かに私達へ手を向けた

すぐ私を反対側へ、抱き抱えたまま転がった


まだ息はあるな
そう言うや否や、母は血を送られ、鬼と化し掛けた

しかし…母は強靭な意志と胆力でそれを捻じ伏せ、自ら舌を噛み切って絶命した

人として、人のまま


無惨「ふっ…大した胆力だ

私の命令に反発するとは」

恵土「っ!!」ぎりっ!!

憤怒に我を忘れ、決死の思いで起き上がった

脇腹から再び血が流れる
先程まで動かなかった身体が、激情のままに動いた


無惨「ふむ…
まだ小童(こわっぱ)か

十にもなってはいないが……)

面白い(にやり)

お前も鬼になるか?」
恵土「誰がなるかあ!!!」

殴り掛かろうとするや否や、周囲に居た鬼が襲い掛かってきた


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