第1章 始まり(はじまり)
隔世遺伝?
本人?
同じ魂そのもの?
幼子にはまだ早い話だったか
と溜息を零されたけど、意味わかんない!!
そう腕組みしたまま頬を膨らませてぶんむくれる中……家の前に着いており、足が自然と止まっていた
それに気付いてから、一先ず家に入ろうと戸に手を掛けようと手を伸ばした折、父の怒号が響き渡っていた
またか、と心の中で溜息をつくと
襟首に手を掛けられ、そのまま引きずられて地下牢へ投げ込まれた
昼過ぎのことで、そのまま飲まず食わずで放置されていた
頭を打ったのか、目を覚ました時にはズキンズキンと痛んでおり、空気を取り込む格子を見ると月が昇っていた
見るからに日付が変わっているのがすぐわかった
恵土「……無惨(むざん)
(……なんだろうなあ?
龍神様から何度も聞いたけれど……
まさかそれが人の名前?そんな訳無いだろうし
って言うか…こういった独り言が実は一番やばい?
いきなり言われても頭のいかれた狂人としか思われないだろうし
お母さんやお姉ちゃんにも言えてない始末だし;
でも言う訳にもおおおおおおおお;」
痛む頭をガシガシと掻きむしる中で、徐に鍵が開く音がした
そこには父がおり、また暴力三昧かと思い、殴りやすいように構えていると
普段とは異なった様子で、胸倉を掴んで地下牢から引きずり出された
いつもなら、母や姉よりは気に入っているからか、多少はましだったのだが、今回ばかりは勝手が違うようだ
そう言えば…学校の先生や、警察に、父のことを相談して助けてと求めた折も、
躾けだと子供の悪戯だと、一笑に付されて終わり、
それを真に受けてろくに調べもせずに決め付けられた
そして家に帰れば、同じように閉じ込められたり、殴られたりけられたりといった暴挙へと至っていた
けれど今回は何もしていない
職場で何かあったか?
その発散の為に私達をまた利用する気なのか?
そんな想い、考えがよぎる中
首に手を掛けて殺そうとされ
姉が喚いて包丁を手に襲い掛かり
それを難なく奪うや否や殺し、激昂のままに母方の祖父母を殺し
私は母を庇って刺され、母は私の上に覆い被さり背を刺された
夜中遅く、丑三つ時のことで
父はその後証拠隠滅の為か家に油を撒き火を付けて、強盗の仕業に見せ掛けようとしていた
近所の方が警察を呼んでいたが、来ることは無かった
