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化身来華【鬼滅の刃】

第6章 縁(えにし)





そこまで伝え終えた後…ようやっと一息ついた


耀哉「……

何故…今、話してくれたんだい?」

恵土「…‥……

お前なら…好きに吹聴しないだろうと信じて話した
他の人達に話しても世迷い言と捉われるだろうし
狂言ばかり吐く頭のいかれたキチガイとも思われ兼ねない


私は…
神として完成した折から…
2代目原初の始祖神として、『命と自我と記憶』が削られ続けている

それを除く全ての自由と時間を奪われた上で…
死ぬまでの最期の瞬間まで、その為に費やすことを対価としたことで……

今まで私が見せてきたのは…鞘から零れ落ちる淡い光に過ぎない


無惨を斬ったことで…わかったことだ


その首を叩き斬ったことで…目醒めてしまった

お互いに…
その記憶が……


2000年に渡る、創世神の親から引き継いだ記憶も込みで……


親切心を、心を…弄び、寄生し、堕落の限りを尽くし…全てを消した張本人、大罪人だ」

耀哉「つまり…仇討ち…?
恵土「違う←頭を振る

……

ただ……
また…同じことが繰り返されようとしている…

1兆5000億年前の大虐殺…それを繰り返させない為に、私はここ(この世)にいる


そして……主犯格の癌は潰える
私が15の時に…

残るは…無惨だけなんだ

14垓人の内…たった一人だけなんだ


もう少しで…終わるんだ

終わらせるんだ
長き因縁に、決着を…‥


それが…
そうすることが…
無限の寿命が、残り数百年となった初代原初の始祖神への…

自分が出来る恩返しなんだ


そして……削った命と自我と記憶を、再生させる

初代を…死ぬ最期の瞬間まで削り続けるお母さんを、死なせたりなんかはさせない
絶対に

それが…私の願いだ


同じ二の舞いになんかは…
絶対にさせない
繰り返させない!

繰り返すなと、創世神の親が言って、心を託して絶命した
『魂は滅んでも想いは死なない、お前を必ず守る』と…‥

心を除いて全て削られて、自らが無防備となってでも必死に守り抜いてくれた創世神の親にも
創世神にも
これまで生まれ、育ち、守り抜き続けてきてくれた全ての存在の為にも

あいつを――討つ(うつ)!!」

討伐する…
そう、はっきりと言い放った恵土の目は

微かに白ばみ、光っていた……


左目に宿る初代が…右目に宿る自らの魂が…存在を主張するように


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