第6章 縁(えにし)
無惨を斬って情報を把握した時と同じくして…
無惨もまた、把握していた
恵土が始まりの魂であり神であること、依り代となっていること
原初の始祖神という、己を除く全ての実在化を司り
癌化が伝染し変異を及ぼすこと(魂の癌化)を防ぐ為に、命と自我と記憶を対価としていること
その為の全ての自由と時間も対価にすることで、確実に…罪を犯していない者のみ助けようとしていること
そして…全てを消し、自らも処罰される前に消した存在…
主犯格の癌、一億人目の癌が、この世に生まれて来たこと
そして…無惨もまた、主犯格の癌では無いが、癌であることを……
加えて言うと…それに死の間際に死にたくないと加担した隠れ癌も、癌も含め14垓人いること
1兆5000億年前…
当時居た、1000垓人もの魂、草木や花や動物も含む全ての世界…
そして…魂の膜を破る存在(癌)であっても、そうでない存在へと成長することを信じた、人を見る心が育つことに懸けた、自らの親であり、恩人でもある…創世神の親……
この世という、自らで自らの魂の膜を破って消える(死ぬ)癌に『更生の機会』を与える世界へ、「魂の膜を破る癌の闇」の影響から全てを守る為に『創世神の親』によって作られた『頑強な光の世界』を
癌は、自ら「癌(闇そのもの)の世界」とし、「魂の膜は愚か『世界の膜』をも全て破る闇の世界」へと変じさせ
創世神を除く全てを殺し、消した罪…
その罪を罪とも思わず、悪だと認識しないことで、その罪が…全てを罪人へと変異させ、仕立て上げ、自らを裁かせまいとしていること
魂の防御反応、願い…「自らは悪くない、自らに都合良く捉えて欲しい」という想い
「それ」は全てに対して、癌化という…自らの罪を切り分けて植え付け、同化させて癌へと変異させ、いいなりにし、自らの手駒、奴隷、操り人形とする
犯した罪の大きさにより…歪んだ形で、現実にしようとしていた……
それを食い止める為に…遣わされた神であり、使徒なのだと
そして…癌化の闇を喰らい全てが消える直前に、創世神の親が創世神を産むと同時に全ての力を送り込むことで保護され
死の間際に創世神の親から心を引き継ぎ…7人の魂を生み出した折に分裂し、創世神の心であり、創世神そのものである、初代原初の始祖神
その2代目が…隔世遺伝で産まれて来た魂、恵土であるのだと……
