第5章 慟哭(どうこく)
実は、恵土の日輪刀は、赫刀(かくとう)の一歩前の状態を常に維持されている
それも踏まえて言うと…
戦国時代のものと言うだけで、やはりものから根本的に異なることもまた起因しているのかもしれない
隊士の質云々以前の話とも言える
戦国時代での刀の作り方は失伝しており、特有の柔らかさは同様に質の向上を示いていたとされている
硬さが増せば割れやすく折れやすくなる
柔らかさが増せばそれらの欠点が無くなる
ただし…斬れ味はそう変わらぬが、受け太刀は出来にくくなくなる(したら諸共斬られる)
長く戦う、戦い続ける為の技術であり、殺しから遠ざかり形骸化したことからこうなったのだろうとの弁だった
握力
強い衝撃
それらが合わさった結果とも言われている
ただ火であぶっただけでは発現しないらしい
光を纏いて集約したことによる身体強化が繰り出す握力、陽光の著しい上昇に伴う高熱、それらに伴いて迸る著しく強い衝撃波を伴う気流…
それらが同時に混在した結果、赫刀へと至ったのだと悟った
無惨(くそっ…なんだあれは
痣か?
意味が分からない!!)歯噛み
原子一つとなった無惨は、少しずつではあるが再生しつつあった
後に…数年もの時を有したようで、恵土のことを忌々しく思っていたそうな
思い通りにならない存在として
当時
瞠目した理由
無惨(額に…光!!?)
無惨はその折、瞠目し、凝視していた…
恵土の額に浮かぶ、蛇の目紋(⦿)に
太陽の紋章(太陽を示す記号)に……
7歳の時点で光の呼吸を身に付けた後
無間・抜刀を身に付けた
しかし…その呼吸は、決して御し切れるものでは無かった
だが…それが今、一塊の光となりて、己が意志のままに御し切る術を見い出していた
それらの情報を伝えると、返ってきたのは…
耀哉「無事で、帰ってきてくれて、よかった
本当に心配したよ(涙目)
もし…もしっ
姉上まで、喪ったら‥……」震
恵土「あ…←口を開けて凝視する
ごめん!(土下座)
でも、顔は見た
幼少期のものも、青年のものも、花魁の時のものも」
耀哉「そうじゃない…
姉上が生きていないと…困るし、嫌なんだよ
恵土「!!」瞠目
耀哉「……
頼むから…自分を大事にしてくれ」両肩を掴む
恵土「大事に…じぶんを?」
理解出来ない考えに、眉を顰めた