第30章 解散(かいさん)
その矢先…
隠「大変です!!
恵土さんの容体が!!急変しました!!!」
血相を変えた隠が、カナエとしのぶのいる土間へ駆け付けてきた
息が止まり、心の臓が止まり掛け出していた
朝の時のような蝉の鳴き声は無く
花火に照らされた時の明かりしか無かった時のように感じた
雷(花火)の光と振動以外、何も私達を照らしては居なかった
両親を初めて喪った時の感覚がした――全身を駆け巡った
しのぶ「いやっ!いや!!
いやああああああああああああああああああああああ!!!」瞑目し頭を抱え咽び泣く
ぱあんっ!!!!
頬がじんじんする
驚きでか涙が止まった
目を見開き、飛んできた先を見た
カナエ「はあっ…はあっ…」
息を荒らし、振り抜かれた右手をそのままにし
赤らんだ顔で、鋭い目で私を睨んでいた
しのぶ「姉さんっ//」じわっ←再び涙が滲む
カナエ「落ち着きなさい!!蟲柱胡蝶しのぶ!!
泣きたくなるのもわかる!!けど関係ありません!!
立ちなさい!!動きなさい!!這ってでもやり遂げなさい!!
動かずに悔いが残るぐらいなら動いて!!!
お願い……っ!
貴方が助けるの!!そう決めたのは貴方でしょう!!?」涙
しのぶ「!!(瞠目)
しのぶ『私の願いは…
貴方(恵土)を死なせたくない』←290ページ参照
(はっ!!)
(ごしごし!!)
はい!!」真剣し力強く頷く
そのまま恵土のいる場へ走って行った
カナエ「はあっ」
脱力し跪き力無く後ろ向きに倒れる
隠「大丈夫ですか!?」咄嗟に支える
カナエ「ふふ、私は大丈夫^^;
初めて引っ叩いちゃったな…(苦笑し掌を見つめる)
私達も行くわよ!」きっ!
隠「はい!!」
しのぶ「留守番を任されていたのが姉さんでよかった!
他の人なら立ち直れずにいた!)
待ってて師匠!
私…っ
必ずっ!!」涙目←溢れ出る涙を堪える
遠い昔のトラウマ…
そのフラッシュバックを振り払って
私は、師匠の部屋の戸を開け放った
師匠は変わらずぐったりとしていて…
今にも死にそうになっていた
しのぶ「私がやります!離れて!!」
息を送り込む動作、機械を動かし出した
ずっとずっと息を送り込む
自然に息をし出すまでずっと
ずっと――!!やめたり(投げ出したり)なんかするもんか!!!!←涙が滲む目で、決死の表情で続ける